· 

授業コンテンツは試行錯誤

 

前期の授業はすでに折り返しに入っております。

慣れてきたせいか、毎年毎年時間の経過を早く感じるようになってます。

 

前期の受け持ち科目は、大学と専門学校の2校で4科目。

リテールビジネスにおけるVMDマネジメント、リテールマーチャンダイジング、店舗開発マネジメント論、マーケティング です。

 

VMD専門人材のはずが、随分守備範囲が広がりました。

 


 

初めて教壇に立った年(正確にはコロナ禍まっただなかで教材配信のみの講師デビューでした)の2科目の教材は、気合が入りすぎで・・詰め込みに詰め込んだエライ内容でした。1コマあたりパワポ80スライド以上ありました。。今見ると異常ですね・・・ 小売に関わる法律の回とか、前職でそういう部署にいたことがあるんで、我ながら凄いためになる内容なのですが、不要と判定し丸ごと削除したり。

 

今年は50スライド台に収めてだいぶ収れんされてきた感じです。

 

併せて配布資料は重要なワードの部分を穴あけにして自分で書き込む仕様に変えたので、それができるだけの時間的余裕が必要ですしね。細かすぎて不要な箇所や文言図式はだいぶ削除しまして、喋る方もかなりやりやすくなりました。

 

穴あけ書き込み仕様の配布資料は効果絶大で、寝る学生がかなり減りました。一定割合いる寝る子は関係なく寝ますけどね(笑) でも大分違います。配布資料をぜんぶ作り直しになったので準備は結構大変ですが、それだけの効果はありました。

 


 

テキストのブラッシュアップと併せて、授業内容も試行錯誤しながら少しづつ手直ししています。特にワークショップ回。座学の時間は減らしていかないと・・

 

やはり、いかに寝させないか・・・です(笑)

 

これはもうワークショップ回を増やすしかないので、できそうなことをいろいろ考えてやってみるのみ!!

 

最近やったワークショップ型授業のネタをいくつかご紹介します。

 

みんなで付箋をバンバン貼るところから始まる。
みんなで付箋をバンバン貼るところから始まる。

 

皆さんご存知のSWOT分析。専門学校の2年生にマーケティングの授業でやってもらってます。

学生がやるにはなかなか敷居が高い。なぜって、社会的外部環境や世の中の出来事をあまり知らないから。チャンスやピンチというのがどういうことかもまだわからない。

なので、自分の好き事でやってもらってから、グループワークで企業のSWOTをやってもらいます。最終的に、改善策、起死回生策の具体的提案までさせますが、これがなかなか面白いものになります!やっていて最も楽しい回の一つ。

 

 

これだけ情報あればもうお店作れますよ。
これだけ情報あればもうお店作れますよ。

 

大学の4年生にやっている店舗開発マネジメント論。彩ユニオンさんにご協力頂いている産学連携授業。これは我ながらすごい内容。

 

6グループによるブランド店舗開発のコンペ。役割分担をして理念、対象顧客、MD、立地などの設定から店舗コンセプトを導いていき、店舗設計会社にその内容を15分でプレゼン、インプットするというのが前半の山場。


後半は、リアルショップの実プランとPOPUPショップ計画の推進を軸に、最後は社長にヒトモノカネの配分を含む新規出店戦略としてプレゼンすることになります。

 

ブランド自体の内容とコンセプトは3年次の産学連携授業で詳細まで詰めたものが既にありますが、メンバー入替したうえでリアルな店舗開発の進め方を用いてブラッシュアップし、その過程で企業のプロジェクト推進を疑似体験するものです。

 

教授の意向で、今年はパワポでのプレゼンになりました。かなりのボリュームのワークシートから要点をうまく抜粋しながら、得意なビジュアル構成もふんだんに取り入れたパワポで見事に15分で説明しきる学生のレベルの高さよ。

 

教授によればこの授業、大学内での評価と感心も高いとか。授業の建て付け構成とワークシートの数々は弊社のノウハウとコンテンツそのものなので、弊社とわたくしの良い宣伝になるかな!?と少し期待していましたが、まあ世の中そんな甘くはなかったと(笑)

      

 

彩ユニオン様には田町のショールーム見学会からお世話になっています。優勝を勝ち取ったチームのPOPUPプランはここで再現される予定!!

 

お題7:すべてを色順(左→右に暖色、寒色、中間色)に並べよ!黒は右端へ!
お題7:すべてを色順(左→右に暖色、寒色、中間色)に並べよ!黒は右端へ!

 

陳列構成演習。

VMDマネジメントの授業で昨年から取り入れてみました。

写真は昨年、実際に学生さんがやっていたもの。

 

「陳列の美観と統一感」という回の次の回で、モノと色の並べ方のワークショップをやってます。任意の単品アイテムを10個くらいと、事前に配布した謹製カラーチップを(自分で切ってきてもらって)持参してもらいます。

 

モノの並べ方編では11のお題を次々に出して、その通りに並べ直していってもらい、陳列精度と美観、自分の「編集」の度合いが上がっていくさまを実感してもらいます。

 

お題9:サイズ順に並べた各分類括りの中を色順(左→右に暖色、寒色、中間色)に並べよ
お題9:サイズ順に並べた各分類括りの中を色順(左→右に暖色、寒色、中間色)に並べよ

 

このワークショップは企業様でも数回やったことがありますが、結構うまく行くんですよ。どんなものを持ってきても、並べ方に秩序立てが加わると意図と美観を伴っていくという。

 

必勝パターンがあるのでそれを伝授するような感じです。

 

カラーチップを切って9グループに小分けしてくるのは結構大変。
カラーチップを切って9グループに小分けしてくるのは結構大変。

 

色の並べ方編では7つのお題でカラーチップを色々並べ替えて、トーンの違い、全体が濁るさまと整うさま、白の役割、黒の見え方、差し色の効き方などを視覚的に体験してもらいます。

 

モノ編と色編合わせて17のお題を90分で次々に展開!!なかなか面白いのですが、難点もいくつか。

 

モノ編はカラーペンや色鉛筆など、同サイズ同形状のカラバリだけだと上手くできません。昨年結構このパターンがいたので今年は事前に注意してありましたが、今年は推しメーカーのキャラクターグッズ(形は違うけどサイズはほぼ同じ・・)やフィギュアで揃える学生が多発して、ちょっとやりにくかった。

なんにも持ってこない学生も一定います。

 

カラー編の難点はカラーチップを切ってこない学生がいること。どんなにアナウンス徹底していても一定割合の学生は切ってきませんので、それだけで授業は半分成立しません。6セット作って持って行きましたが足りませんでした。

 

ということで、今年もやってみて・・・

来年はやめようかな。 違うワークショップを考えてみよう。

 

 

こちらも専門学校のマーケティングの授業。今年は、全30コマのうち3コマを新しいワークショップ回に差し替えましたが、そのうちの一つ。

 

毎年買っている、日経クロストレンドの「最新マーケティングの教科書」。最新2024年版でクローズアップされている46ワードについて、スマホでとにかく調べまくって意味を書いていこうよ!という企画。

 

自分でやってみて、知っているワードは理解が深まり、知らなかったワードは勉強になる。そして何より、全体俯瞰でいまの市場、マーケティングで重要視されている価値はどの辺にあるのか??の大きな「脈」が見えてくるんです。これを学生に見つけてもらうのが狙い。

 

2、3人でチーム編成してやらせてみたら、学生は調べるの早い!!調べると幾つか違う答えが出てきたりするけど、まあ上手く答えを見つけ出して埋めていく。分担しあって、自分が調べたものをお互いに教え合う。46語、140分の授業の中ですべて調べ上げて意味を書き込めました。

 

そして、

 

「難しいよ~~!!」

 

です。

 

そりゃそうだよね。

でも、これからこの授業では難しい聞いたこともないようなワードがいっぱい出てくるし、46のワードから大きな「脈」を見出すのが目的だから難しくてもいいんです。

 

肝心の「脈」は、自分たちだけで見出すのはちょっと難しかったみたい。でも、解説したらなるほど~~という感じでした。

 

来年は、「脈」が見つけやすくなるようにワードをあらかじめカテゴリー分けしておく必要があるかな!!と、やったこちらに気付きが多い授業となりました。

 


 

こんな感じで、試行錯誤しながらやってうまく行ったら採用、う~~ん・・だったらまた新しいワークショップ考える。そしてやってみるのみ!!

 

何が良いって、

学校でやっているワークショップや演習は、内容や構成を変えずにそのまま企業様の研修で使える、ということなんですよね。

 

日々新しい教育コンテンツ開発に勤しんでおります!!

 

お題18:最後にカラーチップをすべて混ぜてください!
お題18:最後にカラーチップをすべて混ぜてください!