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地域特性という罠

 

このところ、本業のお仕事以外にも日本VMD協会の方のお仕事や、後期に入った専門学校の授業教材の作成などで気持ちがバタバタしております(気持ちだけです)。

 

日本VMD協会は入って2年経ちまして、思いがけず理事になったこともありますが、ようやく様々な動きが理解できるようになってきました。VMD業界全体の縮図のようなところがあり、とても興味深いです。業界を牽引してきた大先輩が多くおられ、接する機会も多いのでとても勉強になっています。

 

専門学校の受け持ち科目も「マーケティング」で、VMDにはまったく授業で触れません。かなり学びなおしをしたうえで、これまで仕事で養ってきた実務知識も総動員してなんとか授業を組み立て・・ようやく残すところ1/3となりました。座学だけだと学生は一瞬で寝てしまうので、毎回演習をかなり取り入れて寝させないようにしていますが、こんな試行錯誤もまた学びなおし・・Z世代の学生とのコミュケーションは、昭和の上下関係真っ只中で生きてきた私にはカルチャーショックの連続、修行のようなところもあって(笑)、刺激をもらいつつ、慣れないことを色々やっています!

 

そんなわけでヒジョーに気持ちがバタバタ、ざわざわしている今日この頃。

 

今週、ふたたび福岡出張のお仕事があり、様々なショップの店長さんとお話する機会を頂きました。

 

 

今回のお仕事先は、とある商業施設。

 

今回ヒジョーに特徴的だったのが、福岡出店地域のマーケットに出店したブランドさん、特にアパレルブランドさんが、本部指示で入ってくる商品とその展開指示・・関東ベースのマーチャンダイジングが博多のこの地だと少なからずフィットしない点があるということでかなりお悩み、試行錯誤されているということです。

 

やはり地域特性が強い・・その地域のお客様のスタイリング傾向からくる購買志向があるとのことです。ここに来る前は東京で店長をされていた方が多かったようですし、名古屋から赴任された方、大阪から赴任された方もいらっしゃいましたが、皆さん一様に「これまでの経験則がなかなか通用しないので大変」と仰います。

 

もちろん大阪にも名古屋にも東京にもそれぞれ顧客特性と連動する強い地域特性がありますが、福岡のこの地域で難しいのは、「すごくオシャレな街、人が多い印象だけど、売れ筋のモノがそういうモノとは限らない」ということのようです。10年以上前、福岡に頻繁に出張していた頃私もそのような印象を持っていましたが・・街で若い人や若いファミリーを観察していると結構その印象が違う気もしてきました。

 

お隣の佐賀出身の妻曰く、こちらの方は良いモノ持ってて買い物好きだが、雑貨や髪型含めてそれらを上手に組み合わせるのが苦手・・といった傾向があるとか。その真偽は定かではありませんが、やはり地域で好まれるスタイル、デザイン、テイスト、色の傾向は男女それぞれに間違いなくあるようです。

 

それを現実的に店頭で棚割やMD配置に反映させると、例えばレディスは華やかでトレンドっぽいのにメンズがやけにダークトーンでコンサバ・・みたいな感じになり、特にショップフロントの見え係りがブランドコンセプトやイメージと離れてきてしまう・・といった展開症状となって表れるようです。難しいですね!

特にアッパーゾーンのブランドさんはかなりシビアです。

 

このような悩みをお持ちの店長さんたちは皆こういうことに気付いていて、本部からの指示にはある程度従いつつも日々試行錯誤を繰り返して「この立地で(ブランドらしさを崩さずに)当たるヒケツ」を探っておられます。

 

今年もいろいろ試行錯誤したり地域特性として判ってきた結果が、来年以降は品揃え計画、仕入計画に精度向上を伴って反映されてくることでしょう。

 

地域特性の、後から商売を通して判ってくる「罠」のようなものはまさにロケーションマーケティングのお話ですが、もちろん出店計画とMD計画の時点でそのあたりは充分リサーチ済で、その地での過去の経験則も踏まえて挑んでいるところが大半な訳です。それでもうまく行かない・・予想と違ってくる・・・・

マーケットを知るのは難しい!

 


 

臨店し、様々なお話が出来て充実した出張でした。

 

地域特性というヤツは、前職時代に大阪や名古屋の新店舗出店のストアプランとVMDプランの実務をしたときに、後から「事業の失敗」というカタチでそのシビアさを思い知らされたものです。実務をした当事者として責められたこともありました。だから本当に重要だと思っています!

 

ということで、空港で美味しいビールを呑んで〆。

 

またぜひ呼んでください!