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UNIQLO GINZA

 

先日、朝刊の折込チラシをチェックしていたところユニクロさんのチラシが。でもいつもと違うぞ。

 

 

ユニクロ銀座リニューアルオープン・・・

 

ふむふむ。今日(9/17)だ。これは行かないとな。

なになに。本日初日のみ、ユニクロ×銀座木村屋のあんぱんが先着3200名に・・こりゃ並ぶな(笑) 店内も密になるかな。今日はやめとこう。

 

 

ふむふむ。

「UNIQLO GINZAは変わります。進化したサービス、新しい買い物体験、居心地の良い空間。」

いま小売業に求められていることをビシっと宣言してるな。さすがだ。

 

「NEW Life, NEW Wear, New GINZA. Life Wear の新しい体験がここから生まれる」か。マーチャンダイジングが理念そのものだ。

 

自然体でカッコいい女性店長が理念表明の横で笑顔でご挨拶してるな。

 

などと、ひとたびチラシに目をやったら次から次に気になることが。

 

先にも書きましたが、どうやらこのチラシには、社会環境の変化に基づきいま小売業に求めらていること、トレンド、そしてそれらの取組、施策の具体例が実際の商品・サービスとして誌面にミッチリと纏められ仕込まれています。

 

こりゃすごい。

 

 

ユニクロフラワー

ユニクロコーヒー

POP-UP SHOP

ローカルコラボレーション

先行販売 ユニクロ×セオリーコラボ

待望の秋冬コレクション本日発売 ユニクロ ユー

エクストラファインメリノ

カシミヤ

ヒートテック

ハイブリッドダウン

リサイクルダウン

3Dニット

特別価格

アプリ会員特別価格

アプリで注文、2時間で受取り「ORDER & PICK」

オンラインストアでも全商品がお買い求めいただけます QRコード

1Fから12Fまで体験できる展示

ユニクロフォトブース

インティメイトウェアサロン

カスタムコーナー

 

サスティナビリティ

全フロアでLife Wear を体感できる

・・・

 

書いてある重要ワードを抜き出すと、表面だけでこのくらいあります。

共感を得るためにアパレルSPAでもお花やカフェを取り扱う時代。

様々なコラボレーション。

定番シーズンアイテムから最先端素材、最先端技術による新MDまで。

価格訴求しっかり。

OMOとシームレスな購買体験。

カスタム&パーソナルコンサルティング、様々なサービス機能

これらはすべてサスティナブルな取組みとして実際にやっている。

 

これぜんぶ、一つの店舗でやってるという。

お店に行けば実際にぜんぶ見ることができます。

 

ジェンダーにまつわるワードは見つからなかったけど、妹分のGUはジェンダーレスを前面に打ち出したキャンペーンやったし、そちらに譲った形でしょうか。

 

VMDの人間として一番気になったのは、上記の「体感できる展示」というモノに対し「ディスプレイ」という言葉ではなく「インスタレーション」という言葉を当てていることです。

 

3年くらい前からイセタンメンズでは使っていたように思いますが、ユニクロでも使われるとは。

 

オープン翌週の平日朝に店舗に行きましたが、店内アナウンスでもフツーにインスタレーション・・と言ってました。

 

 

 

 

「売場の中にLife Wear を表現するインスタレーションとシーンやスタイルを表現する展示。ユニクロの服づくりへの美意識やこだわりが一目で伝わるインスタレーションを各フロアに展開。」とあります。

 

もうディスプレイではないんですね。

いや、ディスプレイという言葉を使っていないだけで、従来のようないわゆるVP、PPといった商品軸のディスプレイもあります。言うまでもなくIP陳列そのものも素晴らしいディスプレイの次元です。さすがにこのクラスの店舗だとVPはコーディネイトもディスプレイデザインも一般店舗より格段に洗練されていますが。

 

 

ただ、明らかに従来の商品ディスプレイの次元ではない「展示」もある。

 

インスタレーションという言葉は美術展示用語で、展示空間にモノ(作品を配置表現する・・といった意味合い。アートと関わりがある。即興性も含みますよね。ユニクロは、この店舗では小売店のディスプレイではなくもはや店の空間コンセプトと一体となったアート表現の次元を標榜していることが解ります。これはデザイナーの片山正通先生の考え方もあるでしょう。

 

小売の世界企業が、ディスプレイをインスタレーションと呼び始めた。単に商品×テーマの視覚表現だけでなく、ブランドや店のコンセプト、理念を現わす場になるべきだ、それをアートとして扱い表現しないと物足りない、差別化できない時代になった・・・ということでしょう。

意識が高いからこそ・・・かもしれません。

 

インスタレーションというワードを、大衆的小売店舗が一般消費者に対し使い始めた・・一般消費者もそのワードをすでに理解している。 時代は変わったなあ。

 

 

じゃあ実際にユニクロ銀座店でやっていることはインスタレーションなのか。厳密な基準があるわけでなし、これは見た人がそれぞれで判断すればよいでしょう。どのくらい自由度を帯びて変化していくのか。個人的にはそこに着目して定点観測していきたいと思っています。

 

大好きなエマニュエル・ムホーのアートを目の前で見ることができて嬉しい。

 

サスティナブル系インスタレーション・・展示はヒジョーに充実しています。下のドラえもん以外にもいろいろあり。

 

 

カスタムオーダーのコーナーも面白い。いつもはユニクロ行ってもビジネスアイテムを見る気にはならないけど、ここで見ると良く見えるなあ。デザインが。なんでだろ。ネクタイも安いけどシンプルで素敵だ。

オーダーカウンターと隣の壁面の裏には大きめのフィッティングルーム。

 

 

サンプルが解りやすくてすごい。目からウロコ。

 

 

個人的に気になったのは1Fのフラワー。花屋だけと確かにユニクロに見える(笑) カラー陳列の妙によるものかしら。お花は1束390円、3束で990円、組合せ自由。わかりやすいよね!

 

 

 

可愛いブーケもあって、これはスタッフさんのセレクトによる手作りだそうです!ユニクロテイストに染まらない、素敵なブーケにホッと癒されました。

 

目の前でご婦人が切り花を1束買ってたのですが、その1束を細長いビニール袋に入れてお渡し。「こちらの袋の底にはお水が入っていますので」と。え!?マジ!!と、思わず見せて頂きました(笑) 切り離した茎が刺さらないようにビニールも強くなってるそう。ブーケの包み紙の底にもお水が上手く仕込んであるそうです。※10/2追記 たまたま目の前にいた人がユニクロフラワーの切花袋を持ってて、袋にサトウキビ由来のバイオマス素材を使った…と書いてあったのでビニールじゃなさそうです。


こういった見えないところにすごく工夫をしているの、本当に頭が下がります。さすがです。

 

 

店内の展開は紹介しだすとキリがないのでこれくらいに。

 

まずは店舗に行って見てみてください。店舗建築やフロアの環境デザイン自体は以前と変わっていませんが、それは差し引いても目新しさがあって楽しめますよ!裏にドーバーもありますしね。