以前「いよいよペンタブレットを・・」というコラムを書きました。セミナー教材中の模式図などを(外注に出すおカネはないので)自分で描く必要を感じ、デジタルイラストにチャレンジすっか!と機材を調べるというお話でした。手描きだと線が薄いし絵具の準備とか大変ですからね。
あれから半年たちました。。
その後、ワコムのショップに行ってみたりペイントソフト「CLIP STUDIO」の教則本を買ってみたりしたのですが、結局ペンタブレットもペイントソフトも買いませんでした。。その後急に忙しくなったのと、どうも貧乏性に火がついて買う勇気がでなかったからです(笑) 会社にはそんな経費出す余裕ないからお小遣いで買わなきゃならんのです。そんなこんなですっかり忘れていましたが、このコロナ禍で時間がたくさんできたのと大学の遠隔授業をやる段になって半年ぶりに思い出し、急にやってみる気になったのでした。
とはいえ、ペンタブレットもソフトも買えませんよ。
ということでまたまた無料作戦なのですが、灯台下暗しとはまさにこのこと、私のPC「Surface book」はディスプレイが着脱可能で、本体からはずすとタブレットとして使えるんでした・・・ 早く気づけよ。。
素晴らしい感度と書き味のデジタルペンも付いてますので、これ使わない手はないじゃん。
そしてペイントソフトですが、リサーチしてみて良さそうだったAUTODESKさんの「SKETCHBOOK」というソフトの無償版をダウンロードしました。無償版のままずっと使えるのかは良く知りませんが、覚えるのにはいいんではないかと。
ちなみにわたくし、ペイントソフトは昔少したしなんだことがあります。前職で装飾担当の時代に、外装ウィンドウやステージのパースを描いたり、合成写真を作ったりするためにPhotoshopを使っていました。当時は若手でしたが、管理担当の課長さんが新しモノ好きで話が合って、当時最新機材だったMACを買ってもらい、そこに入れておいてもらったんですよ。POPを作るのにIllustratorも使ってました。ベジェ曲線だけはいまだに解りませんけど。あれから20年以上経ってますが、SKETCHBOOKも基本的な操作感はその頃の感覚とほぼ同じで、直感的に手が動いてくれます。もちろん知らない機能の方が多いくらいですが、必要なことはできそうです。
ということで、さっそく使ってみました。
まずは落書きから。
ペンを手に取って、手がおもむくまま、気の向くままに絵を描きます。
こういう場合、私は飛行機になっちゃいます。デフォルメの効いた飛行機。中学生の頃からの手クセ、プラモデラーの性です。
鉛筆ツールとブラシツールをとっかえひっかえ、太さを色々変えてみながら黒線でババッとアウトラインを描き、はみ出したところを消しゴムツールで消します。カラーパレットから色を選んで色鉛筆の要領で描いたり塗ったり。こりゃ楽しい!!
デジタルだから消しゴムを使えば白も簡単に塗れる。赤く塗りつぶしたところに白い★を描くようなことが簡単にできます。デジタルならでは!
小一時間でこのようなイラスト(落書き)が出来ました。楽しい!!
次はレイヤーの練習。
アニメのセルを重ねるような手法です。
落書きの延長(笑)
家で飼っているカメを小学生の頃からの手クセで描画。頭で考えずとも勝手に手が動いて描いてしまいます。これもペンとブラシで直感的に描いていますが、ここでの発見はコピックのパレット。通常のカラーパレットは色を選ぶのが難しい(まだ操作になれていないからかな・・)ので、コピックのパレットはとても使いやすい!
まずはカメさん単品。
次に新規レイヤーを作り、定規ツールを使って青のラインを水平に描画。地面に見立てます。
それだけだとなんか物足りなかったので、また新規レイヤーを作り、デッキブラシを描きました。都合、レイヤー3枚重ねでコーディネイトし、このようなものになりました。1時間半くらいかな。
何だこの絵・・・
落書きして、絵を描くことには大分慣れましたので・・
次は写真をトレースして背景を描いてみます。落書きではなく、VMDの教材でそれらしきイラストを描くためです。
ただし、フリーハンドで描くとそれらしくなりません。VMDのイラストですから、柱とか什器、棚なんかを描かねばなりません。へろへろしてたらカッコ悪いし・・ ここが最大の難題か・・
ここはまた定規ツールを使ってビシっと線を入れたいと思います!
いきなり売場の絵を描くのは私にも難しいので、それらしき写真を下に敷いて、それを2枚目のレイヤーにアウトラインでトレースして描いてみます。
トレース後、写真を取り除いてみるとこのようになりました・・・
めっちゃヘロヘロやん・・・(笑)
なんとなく、絵描きだった祖父の素描のテイストに似ていて嬉しくなりつつも、これでは教材になんてとても使えないぞ。。
どうやら定規を使って描けばそれらしくなるもんではないようです。
じゃあここに人を足してみようかな・・
1時間半でこんな感じ。
そうそう・・ こういうイラストが描きたかったの・・
背景をビシっと描き込めれば・・・
という問題ではなさそう。なんか変だな。。
これはまだまだ修行が必要だな・・・
ていうか、人がぜんぜん上手く描けないじゃん!!
プロのイラストレーターの凄いところは人の描き方だ。
迷いのない綺麗なアウトラインと自然な人の動き・ポーズを描くにはどうしたらよいかしら。
そうだ。
人の写真をトレースして描いてみるならイイんじゃないの!?
妻のファッション誌をパラパラし、使えそうな写真を撮影します。
・・・
ファッション誌には使える写真がない!!
みんな小洒落たポーズとってるからね。。
VMDの模式図・・ 歩いている人、手を伸ばす人、かがむ人、まっすぐ立つ人・・というようなポーズの写真はないっすね。そんなのあるわけないじゃん!バカじゃないの!?(そこまでは言われてないけど)と妻にも笑われてしまいました。でもメゲない。
歩いているお姉さん。小躍りしながら。
写真を貼り込んで適切なサイズ、位置に調整。アウトラインの線が見やすいように写真の透明度を50%くらいにしておきます。そしてレイヤーを上に追加。写真をなぞってアウトラインを描きます。
どうしてもデッサンしてるみたいなアウトラインになっちゃう・・
黒線のアウトラインが描けたら、上に新しいレイヤー重ねてそこに彩色していきます。
はじめは彩色をペンやブラシによる塗り込みではなくバケツツールで単色一発ペイントにしてみたかったんですが、アウトラインの精度があまりにも低くてバケツを使うと背景まで塗れてしまうので(笑)諦めまして、アウトラインとは別のレイヤーにブラシでぺペペっと色を塗りました。別レイヤーを足してそれらしく水平線と什器など描いて・・・
最終的に写真を消し、什器レイヤーを一番下、アウトラインレイヤーを一番上に持ってくるとこうなります。
試行錯誤しつつここまで2時間くらい。
むむむー・・・ 昔っぽいテイストだ(爆)
こんな様子で一人で売場を小躍り調で歩く人はいないな。
什器や商品なんかはちゃんと描画しないとダメですね。
この絵でバケツツールを用いた一発単色塗りつぶしに失敗しているので、再度アウトラインをキチンと描いてバケツ塗りにチャレンジしよう!
モデルのお姉さんの絵を描くのはもう飽きたので、再び思うまま落書き。
今度は成功!!
アウトラインで囲まれた範囲を1クリックで色が塗りつぶせるのイイね!!
模式図系イラストはこういう塗りがイイすね!!と一人静かに興奮。。
だんだん要領が解ってきたよ。
円定規を使って描画したもう1レイヤーを下に重ねて1時間で完成!
やっぱりただの落書きじゃん(笑)
なんとか、デジタルでイラストを描くこと自体は(落書きレベルだけど)出来るようになってきました。デジタルイラスト初心者の私にも2日でここまで描けました。
後は、課題である背景・・・
売場の景色や展開のようす、陳列の景色・・
商品そのもの・・
などを自然に、シンプルに、時間をかけずに描けるようになりたいです。授業やセミナーで使う挿絵から始めてみようと思います。
簡単で楽しいから、これからデジタルイラストに挑戦してみようかな…という皆様にもおススメしますよ!!